校務支援システムの導入後に見えた課題

導入後に発覚した課題

教育現場で使うと便利なシステムですが、導入後の課題も見えてきました。

・導入に難色を示す教員がいる

手書きで書類を作成していた教員が多かったことから、パソコン作業に反発があったという声がありました。また、管理職であるため、年齢的にもシステムを使いこなせない可能性があり、管理層からの反対も多い印象です。入力項目が多岐にわたり、設定を間違えてしまうとシステムが動作せず、初期設定にかなりの時間を要する点も、反対意見が多い要因として挙げられます。

・各個人でデータ管理方法が違う

導入する学校によって効率的な情報管理の体制が整っていないこともあり、その場合、各個人で異なるデータ管理方法をとっています。そのため、情報の共有が進まないといった課題もあるようです。情報ソフトについても、成績処理ソフトや保健管理ソフトなど、統合型のソフトではなくそれぞれで違うソフトが使われていることなども要因に挙げられます。

・システムが使いにくい

管理システムの操作性の問題も導入を困難にしていました。担当クラスの成績を一覧で表示できない、各テストの成績を見られない、文字の大きさを選択できないなどの機能が一例です。システムによっては使いたい機能が揃っていない、学校の仕様に合っていないことなど、本番稼働後に発覚するケースもあります。

導入後のアンケート結果

校務支援システムを開発しているシステックITソリューション株式会社が行った全国の企業製の校務支援システムを導入済みの中高教職員を対象としたアンケート（2023年1月実施）によると、システム導入に対する結果は以下の通りです。

• とてもよかった：32.1％
• まあよかった：58.2％

大半が導入してよかったと回答する結果でした。詳細としては「作業時間が減った」「アナログ作業が減った」「作業量が減った」「データ共有しやすくなった」などの意見が見られます。事務作業などの時間を削減でき、その分他の業務を進められるようになったという声もありました。ただし、システム導入における課題や問題点もあることが判りました。

• 使いこなすのが難しい
• 必要な機能が揃っていない
• 年度初めの設定に時間がかかる
• ランニングコストが高い

アナログ作業を行っていた人は、システム導入でパソコンの使用が不可欠となります。使い慣れないものを使いこなせるようになるまでに時間と労力がかかる他、慣れない作業に難しさを感じているようです。また、使い方を覚えるのが難しいと感じている方もいました。

システム導入後は学校に合わせて設定が必要なため、使用できるようになるまでの初期設定に手間取るという声もあります。使用者のパソコンスキルが一定でないことから、機能アップが難しいという声もありました。パソコンを使い慣れていない方でも使用できるかどうかが今後の課題といえるでしょう。